「イエスタデイ」あらすじ&ネタバレ感想。最高のコメディ、微妙なラブストーリー。

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Youtube「映画『イエスタデイ』予告」より

「イエスタデイ」予告編ムービー

映画『イエスタデイ』予告

「イエスタデイ」あらすじ

ミュージシャンで有名になるという夢を追うジャックは、幼馴染でマネージャーでもあるエリーとともに、細々と音楽活動を続けていた。
しかしその努力もむなしく、彼の音楽に人々は見向きもせず、ジャックは冴えない日々にウンザリしていた。

ある日、陰鬱な思いからエリーの車を降りて自転車で帰宅していたジャックは、突如起きた世界的な大停電に巻き込まれ、バスに衝突してしまった。
歯やヒゲを失いつつも無事に入院生活を終えたジャックは、仲間たちから壊れたギターの代わりに新品をプレゼントされる。

プレゼントのお返しとしてビートルズの「イエスタデイ」を披露すると、それを聞いたエリーは訝しげな表情で言う。
「いつ作ったの?」

ジャックはビートルズがいない世界で、夢にもう一度向き合うことになる。

「イエスタデイ」感想

Youtube「映画『イエスタデイ』予告」より

まず、作中に散りばめられるギャグのセンスが良かった
顔面を打撲したジャックを慰めつつもヒドイ顔と酷評するエリー。息子の音楽活動に一切興味なかったのに、名声を集めた瞬間手のひらを返すジャックの両親。一大アーティストにも関わらず不憫な扱いを受けまくるエド・シーラン。愛すべきキャラクターたちから放たれるギャグは超一級品。映画館内でも笑いの声が頻繁に湧いていました。

で、本筋の話。
ビートルズを喪失した世界で、売れないアーティストだったジャックが名を上げていくという設定は興味をそそられるし、実際その過程は夢中になって見てしまいました。
ただ、ヒロインであるエリーのとる行動がいささか自己中心的で感情移入できなくて、それに振り回されるジャックも不憫でならなかった。ラブストーリーに関してはうーん…という感じでした。

そういったラブストーリーを含む物語の展開に、ビートルズの曲が親和性を見せるかというと、そう言い切れない点もモヤッとしました。確かにエリー目線で見ると、ジャックが歌う曲はビートルズの音楽ではなく本人が作った音楽なので、その歌詞に過剰なほど意味を見出しているんですよね。
けれど、実際にはそうではない。ジャックが歌詞の意味を問われても口ごもるように、その瞬間瞬間で歌われるビートルズの楽曲と、ジャック本人の心境が密接にリンクしているわけではないんです。
これは、そもそもの設定からして必然的に生まれる問題なので、致し方ないといえばそうなのですが…。

「イエスタデイ」一挙手一投足がコメディ

Youtube「映画『イエスタデイ』予告」より

冒頭の停電とジャックの交通事故から、ビートルズが存在しないことを徐々に知っていく流れは、異常なワクワク感で満たされます。特に、友人たちにイエスタデイを披露するとみんながキョトンとするシーン。「来たか!」という感じですよね。その後、ビートルズをググると甲虫が引っかかるという。何度検索してもビートル、ビートル。ジャックが口を開けて「はて?」とアホのような表情をするのが最高に面白い。

その他個人的にウケたシーンをまとめました↓

  • 両親にレットイットビーを披露しようとするジャックが、父親の電話や友達の訪問などで演奏を何度も阻まれ、結局演奏しきれなかったところ
  • 友達からの退院祝いのプレゼントがバスのフィギュアだったり入れ歯のおもちゃだったりと、事故ったジャックを容赦なく皮肉るところ
  • ライブスタッフの仕事をするジャックの友達が、ジャックとの談笑に夢中で、ステージ中のアーティストのギターチェンジを忘れて慌ててギターを持っていくとクビ宣告される。のに「クビになったわ!」とあっけらかんなところ
  • エドがジャックの家を訪ねて、ライブのオープニングアクトを打診するシーン。ジャックの父親にジャマもの扱いされるエドが、困惑した表情でキッチンの中を右往左往するところ

特にエド・シーランの不憫っぷりには笑いました。エド本人であることを伝えても、「よくやった」とだけ言って去っていくジャックの父親。最高です。

「イエスタデイ」エリーの行動に疑問

Youtube「映画『イエスタデイ』予告」より

ビートルズの偉大な音楽によって、瞬く間にスター街道を駆け抜けていく様子は爽快感があります。ただしビートルズのいない世界で彼らの曲を演奏したからといって、その価値に気づく人がいなければ、万人に受け入れられることもないんですよね。最初に幼馴染のエリーが気づき、レコーディングエンジニアのギャビンに目をつけられCDを作成、その後TV出演にエドシーランとの出会い…とジャックの周囲からの働きかけによって知名度を広げていく、この中盤の流れはサクセスストーリーとしてメチャ見応えがあります

で、ジャックのミュージシャンとしての成功とは裏腹に、エリーとの距離はどんどん離れていきます。ジャックが歌う曲の歌詞から、自分が恋人の枠に入っていないことを悟り、嘆くエリー。しまいにはリヴァプールの駅で、音楽活動を選ぶか私を選ぶかという酷な選択をジャックに迫る彼女。このシーンを見て、正直僕は「メンドくさっ!この人メンドクさっ!!」と同情のかけらもない思いを抱いてしまいました。

エリーはジャックが売れない頃からマネージャーとしてそばにいて支えてきたという尊大な献身さがあります。これは、幼馴染である彼の音楽の才能をずっと信じてきたからこそ出来る行動。が、ジャックが成功して距離感が遠くなると彼の尊さに気づき、徐々に恋心をむき出しにしていくんですよね。
エリーの気持ちは分かる。分かるんだけど、たとえ2人の関係が消滅してしまうとしても素直にジャックの背中を押す人であって欲しかったと思っちゃう。
ビートルズが世界から消えるまえからジャックの才能を見出した人として彼女は大切なキャラクターなのに、なんだか一介の恋人みたいな印象になってしまった気がします。

「あなたがいなきゃ生きていけない!」みたいな力強い主張でジャックを振り向かせる方向にいったらまた印象が違ったんですけど、夢か自分かを天秤にかけさせてしまったのが個人的にショックでした。

「イエスタデイ」ビートルズの曲とストーリーとの親和性

この作品では、ジャックが歌うのはビートルズの曲であって彼の曲ではない、という重要なポイントがあります。

ジャックはビートルズファンの一人でしかなく、そんな人間が一躍大物ミュージシャンにのし上がってしまったからこそ、ビートルズの偉大さが強調されるわけです。
そういった偶然性が面白いところであると同時に、楽曲に対するジャックの思いだとか大切さというのは、ミュージシャンやビートルズファンとしての域を超えない。彼はビートルズではないので当たり前なんですけど。

エリーやエドはジャックの歌う曲から、その楽曲を生んだ(と思っている)彼の内面を見出そうとしているけども、実際にはジャックのモノではない。極端に言えば、ジャックが大成するためのモノ以外の大きな意味はないんですね。

物語全体を見るとビートルズの偉大さが分かるけど、作中に散りばめられたビートルズの楽曲自体は、ジャックが歌う曲としての意味が薄いぶん、印象に残りづらかったかなーと。

「イエスタデイ」感想のまとめ

Youtube「映画『イエスタデイ』予告」より

ストーリーをかたち作るものとしてのビートルズの楽曲たちは印象薄ではあったけど、もちろん映画としては喜怒哀楽のムードを作るのに一役買っているので、それだけで十分なのかもしれない。

ラブストーリーとしては、エリーに振り回されるジャックに同情します。まぁ最終的には、存命していたジョン・レノンに会って愛する人と過ごす時間の大切さを知ったジャックは、エリーに告白するんですよね。

観客で埋め尽くされたライブ会場で。

なんというか最後の最後まで虎の威を借る感じが、ウーン…。
エリーと付き合っていたギャビンも「マジかぁ…」という表情。優しい彼は手を引くんですけどね。可哀想に。

ただコメディは最高に面白いし、ヒメーシュ・パテルの歌声も超ステキなので、見てよかったです。

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