「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」予告編ムービー
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」あらすじ
バイキングの長であるヒックは、相棒のドラゴン・トゥースとともに、バーク島で暮らしていた。
バイキングやドラゴンが異常に増えてしまったバーク島は、徐々に過ごしやすさが薄れていた。
リーダーとしてなんとかしなければいけないヒックは、亡き父から聞いた聖地の噂をアテに、大移動を提案する。
実存するかも分からない聖地に向けて長距離を移動するも、ドラゴンハンターのグリメルに目をつけられ、命を狙われるトゥース。
果たしてヒックたちは無事に聖地を見つけることができるのか…
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」感想

「ヒックとドラゴン」シリーズの最新作「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」を試写会にて鑑賞してきました!
「ヒックとドラゴン」の過去2作品は未鑑賞だったのですが、本編が始まる前に、ご丁寧に”これまでのあらすじ”が数分流れます。大まかなストーリーはここで把握できるので、予告編を見て少しでも気になったら、前作の予習をしないで劇場に行っちゃってオッケーだと思います。
で、映画を見た第一印象はどうだったかというと、
「気持ち悪いぐらいにキャラクターの動きが繊細!」
でした。
過去作を見てないので、見どころがズレてるのかも…という懸念は大いにありますが、「えっ今のCGアニメーションってこんなことになってんの?」とカルチャーショックを受けるぐらいにキャラクターがヌルヌル動きます。
で、そういう動きのリアルさに加えて、キャラクターたちが群れて入り乱れるシーンで魅せているのもあり、
「画面の情報量がとてつもなく多いな」
という印象も受けました。
それぞれの印象について、ちょっと整理しつつネタバレなしで感想をつらつらと綴りたいと思います。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」キャラクターが生きている

個人的に一番印象的だったのが、キャラクターの動きの繊細さ。
なんかもう、ホンモノの人間以上に人間の動きをしているんですよ。自分で言ってて「?」という感じがあるんですが、そう言うほかない。何気ない動作のひとつとっても、反動とか重力とかの存在を感じちゃうんです。
だから、
キャラクターたちがその世界に息づいてる感がハンパない。
「人間以上に人間の動き」と言いましたが、普通のアニメーションのように、変に誇張されている動きじゃないんですよね。デフォルメされているのではない、あくまでリアルを追求したような動作なんです。
僕の浅〜っい映画鑑賞の歴史のなかでも、こんなこだわりを見せつけられた作品はないかも知れない。キャラクターの命ともいえる「目の動き」にリアリティを感じて感動したのがつい最近のコトだったんですけど、この作品でCGアニメーションのさらなる可能性を覚えました。
自分が遅れているだけで、ひょっとして世間はもっと先にいっているのかもしれない…。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」情報量ハンパない

まぁキャラクターの動きの繊細さに関しては、僕が時代に取り残された人間であるがゆえの的外れ甚だしい感想なのかもしれないので、保険的にその他感じたことを書いていきましょう。
今作を見ている最中に感じたのが、「情報量多いな!」ということです。
とにかく画面に出てくる人間やドラゴンの物量がスゴいんですよね。
主人公のヒックはバイキングのリーダーとしてみんなをまとめるんですが、そのバイキングの人口がそもそも多いんです。
バイキングって耳にしたことがある人も多いと思うのですが、ようは海賊の意味で、海賊といえば「大船団での移動!」ですよね。それほど人数が多い。
で、そのヒックが治めるバイキングは、「ドラゴンと共生している」という点で特殊で、それが敵に狙われる理由にもなるんですが、そのドラゴンも相当数います。一人一頭とまではいかないけど、バイキング全員を乗せて移動できるぐらいには多い。
だからもう、
めっちゃ人間多い+めっちゃドラゴン多い=しっちゃかめっちゃか
なんです。
制作側はそのしっちゃかめっちゃかを作品の見どころの一つとしているとは思うのですが、それにしてもスゴい群衆表現。
途中で「なにが起こってるんだ!?」と目が追いつかなくなることもしばしば。
で、そこに前述した「キャラクターの動きの繊細さ」が加わって情報過多になり、
いよいよ目で見たものを処理できなくなります。
「情報量が多い」というのは、プラスな面もあればマイナスな面もありますが、個人的にはマイナス面が勝ってしまったかな〜と。処理しきれなくなったら「ウワァ〜なんかすごい」という雰囲気でしか、そのシーンを振り返れないのが悔しいというか。いや、それも正解というか、むしろ制作側はその「なんかスゴい」を表現していると思うんですけどね。
ふと「コレって子どもたちは全て処理できているのかな…」という疑問が出てくるのですが、そういう話も親子で鑑賞すればできるんですね。羨ましい。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」夫婦感溢れるヒックとアスティ

ここまでは映像表現に関しての感想でしたが、「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」はキャラクタードラマもあなどれない部分があります。
友情・愛情・家族愛の全てが詰まっているのですが、今作はとくに恋人同士の愛情に比重が置かれています。
主人公のヒックには恋人のアスティがいるのですが、この2人の距離感がなんとも絶妙なんですよね。
四六時中チュッチュするような絵に描いたカップル感はなくて、お互いに干渉しすぎず見守るスタンス。
特にアスティは男勝りでありつつも、時に柔和な雰囲気を醸してヒックをしっかり支えるという、メチャクチャいい女なんです。
ヒックはバイキングをまとめるリーダーとしての責任感や、相棒のドラゴン・トゥースが恋人候補を見つけた時の惜別感など、こころの内にモヤモヤを抱えているんですよね。けれども、アスティはそれを優しく解きほぐします。
このままいくとネタバレになってしまうのでここでヤメときましょ!
とにかくアスティ最高なのです。金髪にモチっとした頬という見た目もいいですし、何より吹き替えで声をあてている寿美菜子ちゃんの演技がスバラシい。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」ドラゴンの恋

で、今作ではヒックら人間だけでなく、ドラゴンも恋をするのですよ。
ドラゴン側の恋路を行くのは、ヒックの相棒・トゥースと、偶然出会った”ライト・フューリー”。
トゥースというのは愛称で、彼は”ナイト・フューリー”というドラゴン最強種族としての名も持っていて、その種族のメスということで、恋に落ちる相手は”ライト・フューリー”という名前になっています。
ヒックとアスティは既に恋人同士ですが、トゥースとライト・フューリーはまだ馴れ初めの段階。その未完成の関係ゆえのぎこちなさがなんとも可愛らしい。
トゥースたちドラゴンは言葉を喋れるわけではなく、主にジェスチャーでコミュニケーションをとっていて、その動きがメチャカワなんですよ。
瞳孔の動きが多彩なトゥースのおっきい目や、ライト・フューリーの切れ長な口など、アイコニックな特徴が感情表現を豊かにしているんですよね。多分、ネコ好きさんとかはハマるんじゃないでしょうか。
とにかくこれに関しては見ないと伝わらないので、是非とも観て欲しい。
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」感想のまとめ

ということで、僕なりの本作の見どころをお伝えしてみました。
鑑賞する前は、正直子ども向け映画という色眼鏡で見ざるを得ないかな〜と思っていたのですが、意外にも大人を引きつけるような要素もあり、楽しめました。
過去作はヒックとトゥースの出会いや、ヒックと両親との親子愛がメインのストーリーになっているので、それらを見ていれば正統派続編である本作を一層深く楽しめると思います。
が、ヒックと仲間たちの成長は本作単体でもタップリ感じられるので、シリーズものと言って敬遠する理由にはなり得ません。特に、オープニングからのクライマックスの流れのアツさは、僕も感動してしまいました。
子どもが「観たい!」と言うから大した期待もせずに引率しにいった大人が存外夢中になってしまうような、そんなポテンシャルを秘めた映画です。
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