「mellow メロウ」あらすじ&ネタバレ感想。田中圭くんの「そっか」にやみつきになる甘美な群像劇。

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Youtube「映画『mellow』(メロウ)予告編」

「mellow メロウ」予告編ムービー

映画『mellow』(メロウ)予告編

「mellow メロウ」あらすじ

おしゃれな花屋「mellow」は、日々さまざまな客が訪れる人気店。

「mellow」を営み、花束をコーディネートする夏目も密かに周囲の憧れの存在になっている。

亡き父のラーメン屋を切り盛りする木帆、中学卒業目前の宏美、そして人妻の麻里子。

恋愛に奥手な夏目を中心に、数々の恋路が交差する…。

「mellow メロウ」感想

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田中圭くん主演の恋愛映画「mellow メロウ」を観てきました!

恋愛映画とは言いつつ、ねっとりとしたモノではなく、ピュアでさっぱりとした学生のような恋を描いているので、よい意味で気軽に見れる作品でした。

mellowは「柔らかい・ゆったり」を意味する英単語で、そのタイトルに違わず終始ゆる〜い雰囲気。エンドクレジットのあとに数分のメイキング映像が流れるのですが、撮影現場自体がゆるい感じで、そのリラックスした空気が作品にも反映されていました。

誤解を恐れずに言うならば、「観ても観なくてもいい映画」というか。イヤ、駄作というわけじゃなくてむしろメチャクチャ良い作品なんですが、「恋愛とはこうあるべきだ!」とか押し付けがましいメッセージ性が皆無で、それが逆に心地よいのです。

そして何より、男性では珍しい花屋さんの役をイマをときめく田中圭くんが演じることで、その柔和で優しい雰囲気がさらに倍増してるんですよ。イケメン度がK点越えしちゃってます。

そのおかげで、24歳のラーメン店主から中学生、そして人妻と、あらゆる年齢層から好意を寄せられる田中圭くん。この異常なモテ具合から作品を否定しちゃう人もいそうですが、誰が誰を好きかはぶっちゃけこの映画では重要でない気がするし、それを抜きにしても「そらモテますわ」という説得力の塊ですからね、圭くん自体が。

「mellow メロウ」花はやさしさ

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前述した通り、「田中圭が花屋」って「鬼に金棒」と同義で、もちろんそれだけで主人公が花屋という設定は十分意味のあるものだと思います。

で、それ以外の本作における花の役割みたいなものを考えてみると、これまた「観ても観なくてもいい」じゃないけど、「あってもなくてもいい」くらいのゆる〜い存在感だったと思うんですよね。だから別に花屋でなくてもよかったとも言えちゃう。

ただ、花って結婚式や葬式のようなハレの日に目立ちがちだけども、この作品においては玄関に置いてあったり机の隅に置いてあったり、「なんとなくそこにあるもの」としての印象が大きかったんですよね。

日常に染み入っているにも関わらず、その花束を送る人と受け取る人の気持ちの交信が微かにある。感情の交信があるにも関わらず、強いメッセージはなく、いつもの生活に溶け込んでいる。

それを全てまとめると…「やさしさ」という一言に尽きると思います。めちゃ単純な言葉ですけど、本作における花はそれを象徴しているのかなと感じました。

冒頭で、大切な人へ送る花束を作るために、送り主にその相手の特徴を質問するも「言いたくないことは、言わなくてイイです」と夏目が念押しするところ。不登校ぎみの小学生への接し方が母親含めてみんな寛容で、「本人が元気でいるならそれでいい」というようなスタンス。聞き上手の夏目が口癖のように放つ「そっか」というひとこと。

一つ一つのシーンがやさしさに溢れています。

妻のことを思いすぎて積極的に不倫を勧める夫は、ある意味やさしさの極みにあるかもしれません。

「mellow メロウ」自分のため

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「恋なんていわばエゴとエゴのシーソーゲーム」とはよく言ったもので、好きという気持ちを表明するのはエゴをぶつけることと変わりないのです。相手も自分を思っているのなら結果的にエゴじゃなくなるのかもしれないけども、「mellow メロウ」では総じて片思いが描かれます。

本作の登場人物たちの告白相手は花屋の夏目か中学3年の宏美の2人に集中するので、凄まじい競争率。もう勝ち目がないんですよね。程度の差はあるかもだけど、みんな片思いであることを暗に承知している。

でも、最終的にみんな告白して片思いにケリをつけます。特に中学生の子たちは、「ありがとう、でもごめんなさい」という相手の言葉に「いや、全然!」とケロッとしているんですよね。それは、エゴイスティックな自己を認めて「自分のための告白」に昇華させ、それを完遂した末に、晴々しい気分になったからだと思います。

自らの思いを臆面なく伝える中学生らと比べて、ヒロインの木帆は夏目への告白に後ろ向き。大学時代の友達に相談するシーンでは、その消極的な姿勢が伺えます。

木帆「告白しないよ」
友達「じゃあ好きって気持ちは誰が知るの?」
木帆「誰も知らないよ。好きな気持ちって、おおやけにやりとりされるものじゃなくない?」
友達「うーん………………そうかも」

このシーン、リアルな恋バナという感じがして個人的に好きでした。木帆の言葉に友達が数秒間熟考してしっかり納得した様子で「そうかも」と言うのですが、友達のためにとても真剣に考えているのが伝わってくるのも素晴らしい。

ちなみにこの木帆の友達はSUMIREちゃんという子が演じているのですが、なんと俳優の浅野忠信さんとミュージシャンのCHARAの娘らしいですね。どおりで美しい顔立ちなワケだ…。

話は逸れましたが、「告白しない」と言っていた木帆も、最後には夏目への好意を手紙で伝えます。「好き」と口に出すことはしなかったものの、自分本位だと認めたうえで、自分の人生を前に進めるため、モヤモヤを晴らすためにした行動…という意味では、前述の中学生の子らと一緒ですよね。

最後には言うか言わないかの単純な問題に収束することであるにも関わらず、年齢も背景も異なった人たちが同じ問題についてウンウン考えて、でも結局みんなが同じ選択をする。この清々しさこそが、本作一番の魅力だと思います。


一つだけ気になったのは、木帆のお父さんが生前したためた手紙にて「夏目はお前に惚れとるぞ」とバラしたところ。その手紙の有無で木帆が思いを伝えるかどうかは変わらないですが、みんな自分で自分の気持ちを伝えているなか、夏目だけが好意を他人を通して伝えているみたいな印象になってしまったんですよね。

「さんざんモテ散らかしているのに、自分だけ飛び道具か!」みたいな。いや、夏目が木帆のお父さんに書かせた手紙では決して無いので、的外れな文句なんですけどね…。

「mellow メロウ」感想のまとめ

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田中圭くんを中心に拡散する優しさのシャワーが身に沁みる作品でした。

不登校ぎみで妙に大人っぽい近所の小学生との何気ない絡みも平和そのもので、ずっと見ていられます。

小難しい心理描写などを排したシンプルな内容になっているにも関わらず、なぜか退屈しない。

鑑賞者への贈り物としてトゲが入念に削ぎ落とされた薔薇のように、甘美な物語でした。

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